今月の訪問歯科診療コラムをお届けします。
第２７回目のテーマは、
「口腔ケアの手順 ～６つのステップで口腔内を清潔にしよう～」
です。
口腔ケアとはお口の中を清潔に保つことであり、からだ全体の健康に繋がります。
そんな口腔ケアの手順を、６つのステップに分けて紹介したいと思います！

ステップ１　口腔内を観察する

□むし歯はない？
□揺れている歯はない？
□お口が乾燥してない？
□お口が開きっぱなしではない？
□義歯の装着に問題はない？
□口臭はない？
□歯肉に炎症や傷はない？
□歯垢や歯石は付いてない？
など・・・

スムーズな口腔ケアのために、まずはきちんと観察する必要があります。

ステップ２　清掃する前に保湿する

口腔内が乾燥していると、汚れが口腔内にこびりついてしまう場合があります。
水分や保湿剤を含ませたスポンジブラシやガーゼで口腔内を保湿しましょう。

①保湿剤を手の甲に出して、スポンジブラシやガーゼにつける（もしくは水につけてよく絞る）

②頬の内側など、乾燥した部分を保湿していく

※スポンジブラシやガーゼは水を含んだらよく絞ってから口に入れましょう。
そのまま口に入れると水があふれだして誤嚥してしまうことがあるので注意です。

口腔内の粘膜を刺激することには、唾液分泌を促す効果もあります。

ステップ３　舌などの粘膜を清掃する

粘膜ケアではこのような道具を使って、頬の内側・上顎・舌などをケアしていきます。

スポンジブラシ

舌ブラシ

口腔ケア用ウェッティ

粘膜にこびりついている汚れは、湿潤させることで剝がれやすくなります。
乾燥している状態のまま無理にこすったり、剝がしたりはしないようにしましょう。

また、舌のケアに歯ブラシを使用する方が多く見られますが、舌を傷つけてしまい、かえって細菌を発生させてしまう恐れがあるので注意が必要です。
もし舌の乾燥が見られた場合は、ケア後に保湿剤を塗布し乾燥を防ぎましょう。

ステップ４　歯を清掃する

歯みがきをするときは汚れやすい部位を確認し、正しい歯みがき方法を意識してみましょう。

◎歯ブラシの持ち方
歯ブラシを使用して磨く時はペンを持つように持ちます。
この持ち方は余計な力が入らないので、歯や歯肉がを傷つける心配がありません。

◎奥歯の磨き方
奥歯は磨きにくく、汚れが除去しにくい部位です。
歯ブラシが届きにくい一番奥にある歯を磨く時は、歯ブラシの先端部分を使って磨きましょう。

ステップ５　口腔内を洗浄する

ブラッシングや粘膜のケアの後は、うがいをして、口腔内の汚れを洗い流します。
その際、顔を上げてしまうと誤嚥する恐れがあるので、頭を前傾させるようにして少なめの水でブクブクうがいをするように促します。

※ベッドで行うときは、ガーグルベースンを使用します。
下唇を隙間がないように当て、静かに吐き出してもらうようにして使用します。

ステップ６　最後に保湿ケアをする

口腔内の乾燥を防ぐため、ケア後は保湿ケアをします。
保湿剤を適量、口腔粘膜に薄く擦り込むようにして塗っていきます。

※保湿剤を塗りすぎると、汚れや誤嚥の原因になります。
また口腔内の乾燥が強い方は、保湿剤がかさぶたのような状態になってしまうことがあります。
新たに塗りなおす場合は、古い除湿剤はしっかりと除去しましょう。

口腔ケアは、お口の中の健康状態を日常的に確認しながら行うことが大切です！
もし何か問題があれば、すぐに歯科に相談するようにしましょう。

福岡県大野城市の医療法人ゼロMT 御笠川デンタルクリニック ヒカリは、通院が難しい方のご自宅や施設にお伺いして、歯の治療や口腔ケアを行っております。
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